心療内科

ストレスについて

日本語ではストレス状態を表現するとき、「胃が痛くなる」「断腸のおもい」「腹が立つ」「腹わたが煮えくり返る」といいます。
胃腸は、ものすごくストレスに弱い臓器です。
小学生のころ運動会や学芸会で、自分の番になるとおしっこをしたくなったり、お腹がグルグルしてトイレの駆け込んだりしたことはありませんか?
あるいはそのような友達はいませんでしたか?
また、お腹が痛いといって、学校を休む子供がいますが、決して仮病ではありません。
本当に痛いのです。
子供は子供なりにストレスがあるのです。
大人になってもやはり「腹くくるる思い」はあるでしょう?

職場のストレス

職場はストレスでいっぱいです。
他人といっしょに働くのですから当然です。
同じ環境でもなんでもない人もいますが、人それぞれストレスの感じ方も違うし、ストレスに強い人も弱い人もいます。
私の個人的な考えですが、次のような環境、役職、立場のひとにストレスが多いと思います。

  1. 職場に嫌なやつがいる
  2. 職場の人事異動(新しい環境、新しい人間関係)
  3. 現場の責任者(係長、課長さん、店長さん)
  4. 一方的な援助者(保育士さん、介護ヘルパーさん、教師)
  5. ノルマがきびしい(外回りの営業職)
  6. 減点主義の職種、ミスにきびしい職種
  7. 人に頭を下げなければならないひと(営業職、クレーム処理)
  8. 出世、昇進したひと

性格的には次のような人

  1. きちんとした人。100点をめざす努力家のひと。
  2. 自信があり、仕事を自分で背負い込む人。
  3. 人の目が気になる人。人の自分に対する評価が気になる人。

家庭のストレス

職場の疲れを癒し、ほっとしなければならないはずの家庭も、ときにストレスの原因となることもあります。
夫の浮気。
子供の受験、非行、病気。
配偶者や親の死、あるいは年寄りの介護、入院、病気。
嫁、あるいは姑への愚痴、不満。
人それぞれです。
また、近所付き合い、自治会、PTA役員などのいやといえないボランティア仕事など。

不眠

ストレスがあると、胃が痛くなります。
さらにストレスが続くと、眠れなくなります。
具体的には、なかなか寝付けなかったり、夜中に何度も目が覚めたりします。
また、中高年になると、眠りが浅くなり、トイレに起きることが多くなりますが「年のせい」ではありません。
立派な「不眠症」です。しばらく薬を飲みましょう。
2ヶ月くらい、しっかり寝てリズムをつけると、薬を飲まなくても眠れるようになることが多いようです。

不安

出先で急に不安になったり、電車やエレベーターに乗るとなぜか不安なる人がいます。
また、何回も戸締りをしたり、何回も手を洗わないときがすまない人がいます。
それとともに、胃腸の症状が出ることも多いです。
気持ち悪くなったり、お腹がグルグルして痛くなり、電車を途中で降りたり、トイレの位置を確認しないと電車に乗れなかったりします。
不安だけで胃腸症状がそれほどでもなければ精神科を受診してください。
胃腸の症状が強ければ、消化器の薬を飲み、下痢や嘔気のコントロールをしながら、その原因となるストレスを解消していく必要があります。

下痢と便秘

職場になじめなかったり、家庭で心配ごとがあったりすると、下痢をします。試験の前に下痢が止まらなかったりしたことはありませんか?
このように、ストレスで下痢が続くのは、「過敏性腸症候群」といいます。
とりあえず下痢を止めて、それからストレスを受けても下痢にならないように薬を調節します。

これって「うつ」? いえ、脳の疲労です。

ストレスが続くと「胃腸の症状」が出て、次に「眠れなく」なり、次に「軽いうつのような状態」になります。
気分が落ち込み、集中できなくなり、いろいろなことがおっくうになり、毎日がつらくなります。
出かけるのもいやだし、どうも午前中はテンションが落ちます。
これは脳が疲れているのです。薬を飲みましょう。
症状の軽い人はおおむね2週間くらいで気持ちが楽になり、2ヶ月くらいで安定し,4,5ヶ月すると薬をやめてもOKになることが多いです。
胃腸症状はすぐよくなります。
そのあとで不眠、不安、気分の落ち込みなどがよくならない場合は、メンタルクリニックや精神科を紹介します。

心配性、あがり症

初対面の人が、にがて。
学生時代、クラスで先生に指されるとあがってしまう。
「先生、質問!」なんて、したことない。
学芸会だめ。面接ではあがってしまう。
会議で発言なんてできない。
人に注目されるとあがる。
営業職だめ、接客業なんてとんでもない。

こういう人は、昔は「対人恐怖症」と言われていましたが、現在は、「社交不安症」といいます。
これは、「私の性格」と思われていましたが、実は、一種の病気で、薬を飲むと治るというのがわかってきたのです。
その薬は20年前に開発され改良され、現在は副作用の少ない素晴らし薬に進歩しました。
この薬を数ヶ月内服すると、無駄な不安や恐怖が消え、初対面の人とでもちゃんと話ができたり、合コンでも居心地の悪い思いをせず、会社の会議でも積極的に発言できるようになります。

そしてこの病気は、わりと家族性で、女性に多く、おばあちゃん、お母さん、お
ねえちゃんもそう、ということが多いのです。
年をとるにしたがって少しづつ良くなりますが、中年になっても「気にしすぎ」「怖がり」「心配性」などが残ることがあります。
対人関係がうまくいかず、ずっと独身を通す人も多いようです。
若いうちに、治してしまいましょう。

過敏性腸症候群

職場になじめなかったり、家庭で心配ごとがあったりすると、下痢をします。
試験の前に下痢が止まらなかったりしたことはありませんか?
このように、ストレス で下痢が続くのを「過敏性腸症候群」といいます。
とりあえず下痢を止めて、それからストレスを受けても下痢にならないように薬を調節します。
化学繊維の錠剤は、食物繊維の足りない分を補い、下痢便の水分を吸収して、形のある便にします。
ストレスが取り除かれるまで、とりあえず下痢を緩和する効果があります。

自律神経失調症について

手足を動かしたりするのは運動神経です。
すべすべやザラザラを判断するのは感覚神経です。
レモンを食べるとだ液が出たり、目にホコリが入ると涙が出たりするのは「自律神経」の役割です。
つまり、体の中で自動的に働いてくれている神経のことです。

ストレスがあると人は頑張ります。
頑張ると2〜3ヶ月すると脳が疲労して自律神経をコントロールできなくなり、色々な症状がでてきます。

  • 頭痛
  • 肩こり
  • 腰痛
  • めまい
  • 耳鳴り
  • 胸痛
  • 動悸
  • のどがつまる
  • 胃痛
  • 下痢
  • 腹痛 
  • 生理不順
  • 微熱

などです。

これらの症状はすべて自律神経の症状からくることが多く、各専門医を受診しても色々検査しても「何でもないよ」と言われてしまいます。
「脳の疲れ」からきているわけですから、脳を休ませてあげればいいわけです。
最近はすばらしい薬が次々と作られ、「脳の疲れを少しずつとる薬」があります。

よくある質問

6時間つづけて眠れません。不眠症ですか・・・?

心配事があったり、不安があったりすると、なかなか寝付けなかったり、夜中に何度も目が覚めえたり、あるいは朝早く目が覚めてそのあとも眠れなくなったりします。
とても良い安定剤や睡眠薬が開発されています。
癖になったり肝臓を悪くしたりしません。
アルコールは、寝つきはよくなりますが、眠りは浅くなります。
そして量が増えれば肝機能障害を起こしますし、中毒(アルコール依存症)になります。
睡眠薬のほうが100倍安全です。 

睡眠薬は、癖になりませんか?

なりません。
癖になったり(依存性)、副作用があったりすれば、厚生労働省はたちどころに発売禁止にしてしまいます。
睡眠薬には、長時間型、中時間型、短時間型、超短時間型があり、その人にあったものが選べます。また、2ヶ月分くらいまとめて飲んでも自殺できません。